鴨川の大山千枚田の「綿藍トラスト」は2005年から始まりました。和綿・米綿・藍の種を蒔き、収穫した綿の種をはずし(=綿繰り)、綿打ち後、分配された綿を糸に紡ぎます。紡いだ糸で思い思いの作品に仕上げてみようという試みです。どの工程も地道な仕事ですが、それゆえにいとおしく感じられ愛着が湧きます。
和綿は下を向いてはじけますが、米綿は上を向いてはじけます。日本は雨が多いのでそのような生態系になったものと考えられているのだそうですが、私には、何だか日本人とアメリカ人の生き方の姿勢のように感じられ、妙に納得してしまいました。
久しぶりに棚田の綿藍トラストに参加。我が畑ではもくもくと一人で作業をしていましたが、仲間と話をしながら、久しぶりに楽しいひと時でした。
オクラの花とよく似ています。同じ畑に種を蒔くと、ミツバチがどちらの花なのか間違えて受粉してしまい、花は沢山咲いたのにどうして綿の収穫ができなかったのだろう?ということになってしまうそうです。
和綿と米綿の遺伝子がは異なるため、同じ畑に植えても交配することはないのですが、和綿どうし、米綿どうしでは交配してしまいます。たとえば、和綿の白と茶を同じ畑に種蒔きすると交配してしまい、一本の木から白と茶が取れたり混色したりということになるわけです。
私の大好きな茶綿です。綿は茶が原種。白は染色するための改良種。茶綿は、収穫後時間とともに色が濃く変化していくのも魅力的です。
和綿は繊維が短く、米綿は繊維が長い。
綿の実は4~5室に分かれていて、その一室ごとに5~8個の種が入っています。殻付きのものから、殻と種をはずすと、綿の重量はおよそ4分の一になります。